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人気の「南アフリカ日常ワイン12本セット」からプレミアム限定ワイン、日本独占販売ワインまで!ソムリエ歴24年シニア・ソムリエ麦ちゃんが厳選した南アフリカワインが450アイテム以上! 訪問したワイナリーは約50軒!現地で吟味したコスパに優れた安心ワインをお届けします。
南アフリカワイン
南アフリカは、アフリカ大陸の最南端に位置しています。 喜望峰で有名なケープタウン周辺は南極に近く、冷涼で四季があり、フランスの気候に似てワイン造りには理想的な環境です。
理由その1
350年の歴史!
ヨーロッパで大人気の南アフリカワイン!
南アフリカワインの歴史は350年以上も前に始まり、近年では、毎年世界トップ10に入るワイン生産国です。
日本では馴染みが薄いですが、イギリスを中心にヨーロッパでは大人気の南アフリカワインなのです。
理由その2
世界が認める「ワイン先進国」
南アフリカワインの品質
シャルドネ、カベルネなどの世界品種からピノタージュなどの固有品種まで94ものブドウ品種が栽培され、様々なタイプのワインが900以上のワイナリーから生まれます。
現在、世界各国の著名なワイン生産者が南アフリカに集結し、南アフリカからも世界的に知られる生産者が数多く誕生しています。
そして自然と環境に調和した持続可能なワイン造りを実践するなど、まさに最先端を行くワイン先進国と言えます。
理由その3
南アフリカワイン・スペシャリスト
シニアソムリエ麦ちゃんが厳選した
450アイテム以上の南アフリカワイン
ソムリエ歴24年シニアソムリエの店主麦島泰彦は、日々ワインをテイスティングし、5点満点の採点でワインを評価します。パーカーポイントの麦ちゃん版です。そして基準以上の点数に達したワインだけを取り扱っています。
その麦ちゃんが南アフリカワインに魅了され、2004年から当店で取り扱い開始。南アフリカワイン取扱い歴15年以上。
その実績が認められ2015年には南アフリカ共和国からご招待いただくまでになりました。それ以降、毎年、南アフリカワイナリーを訪問。その数は50件以上、日本人ソムリエとしては最多を自負しています。
毎年出来をチェック、テイスティングの上、「麦ちゃん評価」をしています。麦ちゃん評価が基準を下回ると、いくら気に入っているワイナリーのワインでも取り扱いはしません。それが当店と麦ちゃん評価の信頼につながるからです。
取り扱いアイテム数450以上の中から価格やタイプ別、ブドウ品種別の分類、お料理とのマリアージュまで南アフリカワイン・スペシャリスト シニアソムリエ麦ちゃんがご提案いたします。
是非、安心して魅力あふれる南アフリカワインの世界を堪能してください。
南アフリカワインの魅力(なぜ「南アフリカワイン」なのか?)
日本での南アフリカワインに対する認知度は未だそれ程は高くありません。しかし世界中、特に欧米から非常に注目を集めているワイン産地なのです。何故なら南アフリカワインは品質が高水準でありながら、値段は安く多くのワイン愛好家を魅了しているからです。日本ではフランスワインの人気が高く、ワインの輸入量もフランスワインが長く1位の座を守っていました。ところが2016年日本へのワインの輸入量はフランスワインを抜いてチリワインが第1位となったのです。現在チリワインの日本における人気は高く、特に1,000円以下のワインに関してはチリワインの独壇場と言える状況となっています。これは日本とチリとが締結したEPA(経済連携協定)によるところが大きく、ワインに対する関税は徐々に軽減され2019年には撤廃されます。チリワインにとっては非常に有利な状況なのです。
それでは何故いま南アフリカワインなのか?チリワインと比較して説明してみます。
ワインの生産量に関しては南アフリカとチリではほぼ同量で、毎年世界7位から10位の間を争っている状況です。しかし南アフリカには現在約600のワイナリーがあるのに対しチリでは200程でしかありません。これは南アフリカにはブティックワイナリーが多いことを意味します。大量生産による安価なワインではなくフランスのブルゴーニュで言うドメーヌ的なワイナリーが多く存在します。また自分では畑を持たずに、良いブドウだけを契約農家から買い付けてワインを醸造する小規模生産者も近年の流行です。ワインの品質にこだわりを持ったブティックワイナリーや小規模・中規模ワイナリーが非常に多いのです。小規模生産者は丁寧に精魂込めてワイン造りをしています。その結果、2,000円~7,000円位の価格帯に素晴らしいワインが多くみられるようになってきました。そして、その品質は価格以上のものがあり、多くのワイン愛好家やワイン通を唸らせる状況となっています。南アフリカワインはこの中間価格帯にこそ注目すべきなのです。今後フランスの高級ワインの脅威となるに違いありません。もちろん1,000円以下の価格帯、1,000円台のワインにも高品質なワインは多く存在しています。南アフリカワインは兎に角コストパフォーマンスが高いのです。そしてそのコスパの高さはチリワインとは少し異なることは理解して頂けたでしょうか?
南アフリカワインの特徴(どうしてこれ程高品質なのか?)
1.ブドウ栽培に最適なテロワール(気候・土壌・地形)
南アフリカ共和国の国土の大部分は、日照時間が長く、高温で暑くブドウ栽培には不向きです。ただし西ケープ州だけは例外です。州都ケープ・タウンの夏季の平均気温は東京よりも低く、冬季の平均気温は東京よりも高くなっています。西ケープ州は私たちがイメージする南アフリカの気候とは異なり、南極に近いため、比較的冷涼で四季もあり、ブドウ栽培に適した気候なのです。広大な南アフリカでは、西ケープ州の面積は全体の10%でしかありません。それでも日本の本州の半分程の面積を有し、かなり広いワイン産地と言えます。
西ケープ州は、大西洋とインド洋の二つの大洋に挟まれ、夏は温暖で乾燥、冬は冷涼で雨が降るという地中海性気候です。南半球にあるため夏は12月~2月、冬は6月~8月と日本とは正反対の四季となります。収穫期に雨が降らないことはブドウが痛んだり腐ったりするリスクを避け、良質なブドウを収穫するために非常に重要なポイントです。年間降水量は200mm~1000mmと少なく、そのほとんどが冬季に集中します。地域によっては灌漑が必要ですが、雨が多いより少ない方がブドウ栽培にとっては望ましいことです。ブドウ生育期から収穫期にかけてケープ・ドクターと呼ばれる風が吹き、カビやホコリを吹き飛ばし、ブドウを病害虫から守ってくれます。そしてその風がブドウ畑を冷却してくしてくれるのです。ケープ・ドクターは南極からの冷たいベンゲラ海流の上を通ってくる冷涼な海風のことで、毎日午後になると想像以上の強さで吹き、まさに「強風」と言えます。さらに海岸沿いで発生する霧がブドウ畑の直射日光を和らげてくれます。このように西ケープ州はブドウ栽培に非常に適した気候なのです。
また、恵まれているのがケープ地方の土壌です。ここの土地は、5億年以上も前に遡ると言われる世界で最も古い土とされており、頁岩(ケツガン)、花崗岩、砂岩など多様性に富んでいます。風化し、栄養的には痩せているのですが、水はけが良い上に、適度に水分も保持し、高品質なブドウが育つ力を持っています。更に気候と土壌に加え、ブドウ畑の周辺の様々な地形が、南アフリカワインをとてもユニークで複雑なものにしています。ケープ地方は地殻変動や浸食による多種多様な地形が特徴です。ブドウ畑は盆地の平らな場所から、丘陵地、山の斜面、そして山頂に近い場所など様々な場所に広がり独特のテロワールを形成しています。この複雑な地形から南アフリカのワイン産地は世界で最も美しい景観をしていると言われます。実際ワイナリーを訪れてみると、その美しさに驚かされ、まるで絵画を見ているような気分に浸ることが出来ます。
「まるで絵画を見ているような南アフリカのワイナリー」
2.ワインに対する情熱と急速なワイン産業の発展
1994年ネルソン・マンデラの大統領就任により、アパルトヘイトは撤廃されました。差別した方もされた方もお互いを理解し合い、民族融和の道を選んだのです。和解を追求した南アフリカの国民は敬意をもって「レインボー・ネーション(虹の民)」と呼ばれています。実際ワイナリーを訪れると、多くの黒人がそこで働き、中にはワインメーカーを担当する方もいれば、ワイナリーを運営する非白人のコミュニティーも存在します。ワイナリーの方からお話を伺うと、ワインに対する情熱と自分たちのワインに対する自負が感じられます。アパルトヘイト政策下では200軒ほどのワイナリーが今では約600軒と3倍に増え、生産量は2014年時点で世界第7位を記録しています。ワイン輸出量に至っては、1992年2200万Lだったものが、2014年には約20倍の4億2200万Lに増加しました。非常に急速にワイン産業は発展しました。これは官民が一体となってワイン産業を推し進めた結果であり、彼らの情熱によってなしえた成果です。
ワイナリーの数が急激に増えたのは海外からの投資によるところも大きく影響しています。西ケープ州のテロワールに魅せられて多く海外からの参入がありました。ボルドーのシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド、シャブリのミシェル・ラロッシュ、カリフォルニアのシミ・ワイナリー、ミシェル・ロラン氏やアン・コアントロー氏などがそれです。
スターク・コンデのホセ・コンデ氏はアメリカ人でデザイナーから転身した変わり種、イギリス人のリチャード・カーショウ氏はマスター・オブ・ワインの資格を持ちエルギンに惚れ込み高品質なプレミアムワインを手掛けます。アルザスのジュリアン・スカール氏は魅惑的なシャルドネを生産し、アルザスではリースリングとシーズンごとに両地区を行き来しています。またステレンボッシュ大学にはブドウ栽培とワイン醸造学の学部があり、その卒業生は国内外で活躍しています。今最も注目を集める若手醸造家ドノヴァン・ラール氏もステレンボッシュ大学を卒業しています。また海外のワイナリーで修行後帰国してワイナリーを開いたり、国内の老舗ワイナリーで醸造長を務めたあと独立するケースも見られます。このように海外から優秀なワインのプロ達が多く集まると共に、優秀なワインの専門家を自国でも育てているのです。第一の要因が自然環境によるものなら、第二の要因は人的な要因によります。
3.環境に調和したワイン生産と人に優しいワイン造り
1998年に制定されたIPW(Integrated Production of Wine)は世界で最も厳しいワイン生産のガイドラインです。自然環境の保護とワイン生産者が長く永続的にブドウ栽培が出来ること、この2つを両立させることが目的です。このガイドラインにより酸化防止剤の使用は世界一厳しい250mg/L以下に抑えられています。(ドイツ300mg/L以下 フランス350mg~400mg/L以下 日本350mg/L未満)南アフリカでは防カビ剤や防虫剤、除草剤などの農薬をほとんど使わない、減農薬栽培が一般的で、畑にはアヒルやホロホロ鳥を放し飼いにしていたり、鶏糞などの有機肥料を使用しています。また、除草剤の代わりにブドウ畑に麦を植えて雑草が生えないようにしているなど、環境に配慮した葡萄栽培を行っています。近年ではスワートランド中心にビオ・ディナミや自然派の若手生産者が注目を集めています。
ブドウ畑が広がるケープ州には、世界自然遺産に指定された90,000平方キロメートルにも及ぶ広大なケープ植物区保護地域群があります。ここだけでも9600種の花と植物がある世界で最も密集した植物区で、そのうちの70%は他の地域で見られない固有種とされています。そして驚くべきことに、ケープ地方のワイン産地の95%がこの保護区内にあります。つまり、世界自然遺産の中でワイン造りを行っているということです。そしてこの豊かな植生を守っていくことが南アフリカのワイン生産者の使命であり、その為農薬を減らし、自然環境を保護しながらブドウ栽培やワイン生産を行っています。
また2010年からは、品質、産地、品種、ヴィンテージを保証し、持続可能な農業の認定を受けたことを証明する為、「品質保証と持続可能シール」制度が導入されました。このシールは各ボトルの首の部分に貼られており、シールの右下にボトル1本1本に違う番号が付けられ、「ワイン&スピリット・ボード」のWEBサイトでその番号を入力すると、生産者や瓶詰め日などの情報を得ることができる追跡体制が整っています。このような追跡システムを採用しているのは、ワイン業界では世界で南アフリカだけであり、いかに南アフリカが、ワインの品質の保証に責任を持って取り組んでいるかが分かります。
自然環境の保護と共に取り組んでいるのが、労働環境の改善です。1994年にアパルトヘイトが撤廃されたとは言え、黒人の貧困問題は根強いものがあります。ケープタウン空港からケープタウンの中心地に向かう途中に、スラム街が広がっていることに驚かされます。そして各ワイナリーを移動する際にもいくつものスラム街が目に留まりました。2002年には、ワイン業界での労働者の待遇と労働環境を監督する組織として、ワイン産業倫理貿易協会(WIETA:Wine Industry Ethical Trade Association)が設立されました。また、2003年には、黒人の経済活動、雇用条件の改善を目的とした黒人権利拡大政策(BEE)が実施されました。更に2012年には、「ワイン&スピリッツ常任委員会(WSB)」と、「南アフリカワイン協会(WOSA)」が協力して、これまでのワイン法、自然環境の保護に、労働環境の改善も加えた新しい協定が結ばれました。これに従って、前述の「品質保証と持続可能シール」にWIETAのマークを加えたワイン法、自然環境、労働環境を順守する新しいシールが作られ、これも全てのワインボトルに添付されるように推進されています。
4.世界で評価されるワインの品質
南アフリカワインは「旧世界のエレガントさと新世界の果実味を兼ね備えている」と言われます。新世界ワインとはアメリカ、チリ、オーストラリアのようなワインの新興国で果実味重視のワインのことで、対する旧世界ワインとはヨーロッパのワインでフランス、イタリア、スペインなどのエレガントで複雑なワインを差します。南アフリカワインはワイン勢力図では新世界に位置付けられますが、個人的にはフランスワインに非常に近く、エレガントで複雑なワインが多く生産され旧世界ワインとして位置付けされてもおかしくないと考えます。
現在その品質の高さは世界中が認めるところまで成長しています。ワイン輸出量には、1992年2200万Lだったものが、2014年には約20倍の4億2200万Lに増加しました。主な輸出先は、イギリス21%、ドイツ18%、ロシア7%、スウェーデン6%、アメリカ6%など。(2013年実績)世界的にも大きなワイン市場を持つイギリスでは、2010年に南アフリカワインの販売量がフランスワインを抜き4位になりました。(1位オーストラリア、アメリカ、イタリア、南アフリカ、フランスの順)
そして様々なワインコンテストでの受賞歴、ワインジャーナリストやワイン評論家の高評価などが、輸出量の増加を後押しする要因となっているのです。
5.様々な品種から造られるバラエティに富んだワイン
ワイン用品種として栽培出来るのは現在94品種とされています。南アフリカのブドウ畑の総面積は約10万ha。白ワイン用品種が55%、赤ワイン用品種が45%です。
生産量の多い白ワイン品種 | 生産量の多い赤ワイン品種 |
1.シュナン・ブラン | 1.カベルネ・ソーヴィニョン |
2.コロンバール | 2.シラーズ |
3.ソーヴィニョン・ブラン | 3.ピノタージュ |
4.シャルドネ | 4.メルロ |
5.マスカット・アレキサンドリア | 5.ルビー・カベルネ |
6.セミヨン | 6.サンソー |
7.ヴィオニエ | 7.ピノ・ノワール |
8.ミュスカ・ド・フロンティニャン | 8.カベルネ・フラン |
様々な品種からワインが造られていますが、南アフリカの特徴的ブドウ品種は白ワインで第一位のシュナン・ブラン種と赤ワインで第三位のピノタージュ種です。
白のシュナン・ブラン種は主にフランスのロワール地方で栽培されているブドウ品種ですが、これだけ多くのシュナン・ブランが栽培されているのは南アフリカの他にはありません。これは17世紀末、宗教迫害を受けたフランスのユグノー派の人々が南アフリカに移住したことに起因します。彼らにとってワインは生活の一部でしたので、新しい環境の下でも故郷と同様にワインを造りを続けたのです。そして彼らの多くがロワール地方出身であったため、シュナン・ブランは広く普及したのです。現在、特に樹齢の高いブドウ木より、膨らみのある果実味豊かな素晴らしいシュナン・ブランの白ワインが造られています。
赤のピノタージュ種は南アフリカ固有の交配種です。1925年アブラハム・ペロード教授によってピノ・ノワール種とサンソー種の交配によって生まれました。20世紀初めワインは生産過剰の時代に入っていました。当時栽培しやすいサンソーを大量生産用の安価なワイン用として栽培していましたが、その見直しに迫られていました。そこで高貴なブドウ品種ピノ・ノワールとサンソーを交配するという発想が生まれたのです。当時サンソーはエルミタージュと呼ばれていたため、2つのブドウの名前からピノタージュと名付けられました。しかし実際にワインとして商品化されたのは1961年のことで、ピノタージュ種が生まれてから36年もの年月がかかりました。現在では非常に高品質なピノタージュ種の赤ワインが造られています。色の濃い凝縮感の強いリッチでボディーの強いスタイルが主流ですが、ピノ・ノワールに近いイメージの繊細で優雅、複雑味のあるスタイルのものも造られています。また近年ピノタージュを使用したケープブレンドと呼ばれるブレンドタイプの赤ワインが造られています。ケープブレンドを名乗るには最低30%、最大で70%ピノタージュを使用することが義務付けられています。
6.WOで定められたワイン栽培地域と様々なテロワール
原産地呼称制度のWO(Wine of Origin)は1973年に制定されました。WOで規定されているワイン産地は州単位から小地区まで4段階に分かれていて、ワインに表記されている生産地のブドウを100%使用することが義務付けられています。
アフリカのワイン産地は、西ケープ州、北ケープ州、東ケープ州、クワズール・ナタール州、リンポポ州の5つの州ですが、多くが西ケープ州に集中しています。
州都ケープタウンから100km圏内にあり、著名なワイナリーや老舗ワイナリーが集まる、まさに南アフリカワインの中心となる生産地域です。
ステレンボッシュ(Stellenbosch)地区
ワインの歴史も古く、約150軒のワイナリーが集まり、南アフリカワイン産業の中心地です。適度な降水量、水はけの良い土壌、そして様々なテロワールが存在します。ワイン生産者の憧れの地であり、まさしくワイン銘醸地です。そしてステレンボッシュには、ワイン生産に必要な教育機関や研究所があります。ステレンボッシュ大学ではワイン醸造学とワイン栽培学を学ぶことが出来、多くの有名な醸造家や栽培家を輩出しています。エルセンバーグ農業専門学校、ニートフルベイ研究所があり、世界で最も近代的な実験ワイナリーを持ち、新しい品種、クローン、台木などの優れた研究を行っています。品種的には赤のボルドー系品種(カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、カベルネ・フラン、マルベック、プチベルド)のブレンドに優れたものがあります。もちろんヴァラエタルワイン、白ワインにも優れたワインが多く生産されています。
フランシュック(franschhoek)地区
ステレンボッシュ地区の北東、パール地区の南東に隣接しています。17世紀末、宗教迫害を受けたフランスのユグノー派の人々によって開かれたワイン産地です。「グルメの都」としても有名な街で、フレンチ・ユグノー文化を未だに残しています。歴史的にシュナン・ブランの栽培が主流でしたが、現在はシラー種やカベルネ・ソーヴィニョン種による高品質な赤ワインやキャップ・クラシック(瓶内二次発酵)による優れたスパークリングワインも造られています。
パール(Paarl)地区
ステレンボッシュ地区の北、ウェリントン地区の南に隣接しています。花崗岩の大きな岩があり、その形と色からパール山(真珠山)と名付けられ地名の由来となっています。歴史的にはKWVの本社があることで有名です。比較的暖かく乾燥するため、多くは灌漑が必要ですが、山の東側の斜面は保水性が良く、それほど頻繁に灌漑する必要がありません。カベルネ・ソーヴィニョン、ピノタージュ、シラーズなど赤ワイン用ブドウ品種と、シャルドネ、シュナン・ブランなどの栽培に向いています。
ウェリントン(Wellington)地区
パール地区の北、スワートランド地区の東、タルバック地区の南に隣接する地区です。最近いくつかのワイナリーが高品質なワインを生産し、注目を集めています。ワイナリーは、スワートランド側、その他はヘイウークワ山脈に沿って点在していいます。複雑な地形のためメソ気候(狭い地域での異なる気候)が見られ独自性が生まれます。内陸にあるため、昼夜の寒暖差が大きく、ブドウへのストレスが良い結果をもたらします。また南アフリカのブドウの苗木の85%を供給している地区としても知られています。
タルバック(Turbagh)地区
スワートランド地区の東、ウェリントン地区の北に隣接しています。三方を山に囲まれた盆地で、ブドウ以外の果物や小麦の生産地でもあります。昼夜の寒暖差が大きく、山々の起伏が複雑で、標高、斜面の傾きによって複雑で多様なメソ気候(狭い地域での異なる気候)が独自性を生んでいます。シラーズやキャプ・クラシック(瓶内2次発酵の)スパークリングワインなどに優れたものが多く見られます。近年、ピノタージュとシュナン・ブランにおいても優秀な生産者が現れています。
スワートランド(Swartland)地区
南のマルムスベリーから北のピケットバーグに広がる広大な地区です。ブドウ栽培に
おいては、かつてはブッシュヴァイン(株仕立て)でしたが、最近では品質管理の点で垣根式も増えています。この地域らしい高品質なワインを造る目的で、Swartland Independent Producers(SIP)が組織され、特に若手の醸造家達が、ビオディナミを含めた自然農法で優れたワインを生産し、今最も注目を集めているワイン産地となっています。かつてはフルボディの赤ワイン、高品質なフォーティファイド(酒精強化)ワインの生産が中心でしたが、高品質な白ワインやナチュラルで繊細な赤ワインも造られています。品種的には、ピノタージュ、シラーズ、カベルネ・ソーヴィニョン、シャルドネ、シュナン・ブラン、ソーヴィニョン・ブランなどの品種が増加傾向にあります。またローヌ系の赤白品種も積極的に取り入れられています。
ダーリン(Darling)地区
広大なスワートランド地区の南部に囲まれるように位置しています。ケープタウンから車で一時間程の距離にあり、冷涼な大西洋に近く、優秀なソーヴィニョン・ブランが生産されています。その他、豊かな香りのカベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、シラーズなどの生産が増えています。
タイガーバーグ(Tygerberg)地区
ケープタウンのすぐ北に位置します。ダーバンヴィル小地区は様々な土壌や斜面、冷涼な海風、夜の霧などのお陰で、高品質なブドウが生産されています。品種では、特にソーヴィニョン・ブラン、シャルドネ、メルロ、カベルネ・ソーヴィニョンに良いものが見られます。フィラデルフィア小地区はダーバンヴィルの北に位置し、昼夜の寒暖差が大きく、ブドウの生育がゆっくり進むため、カベルネ・ソーヴィニョンとメルロから造られるボルドーブレンドに高い評価を受けています。
ケープペニンシュラ(Cape Peninsula)地区
ケープ半島全域を含む地区です。海に近くて冷涼な気候が特徴で特にソーヴィニョン・ブラン、セミヨンなどに優れています。小地区にはコンスタンシアとホート・ベイがあります。
コンスタンシア(Constantia)小地区
テーブルマウンテンの南側の斜面で、南アフリカのワイン発祥の地として知られています。年間1000mmの十分な降水量があり、灌漑の必要はありません。また、冷涼な海風の影響で、暑い2月でも平均気温が20.6度までに抑えられます。優秀なソーヴィニョン・ブランが生産されます。また世界的に有名なデザートワインも伝統的に造られています。
西ケープ州の最南端に広がる地域で、その冷涼な気候から、近年優秀なワインが多く産出され、世界のワインファンが注目しています。
エルギン(Elgin)地区
リンゴの産地としても有名なこの地区は、南アフリカでは最も冷涼なワイン生産地です。年間降水量は1000mmで灌漑の必要はありません。品種では、シャルドネ、リースリング、ソーヴィニョン・ブランの白ワインに特に優れたものが多く、数々のコンクールで受賞し、ワインジャーナリストも高い評価を与えています。最近は赤のピノ・ノワールに大きな期待がもたれます。そしてシラーも繊細なスタイルで仕上げられています。
ウォーカーベイ(Walker Bay)地区
ホエールウォッチングで有名なヘルマナスの海辺の街を取り囲む地区です。冷たい海風による冷涼な気候が特徴です。特にヘメル・アン・アードは3つの小地区(ヘメル・アン・アード・リッジ、ヘメル・アン・アード・ヴァレー、アッパーヘメル・アン・アード・ヴァレー)があり、品質の高いピノ・ノワールやシャルドネで知られています。その品質は充分世界でも通用すると評価されています。ソーヴィニョン・ブラン、ピノタージュの他、ローヌ系の品種も栽培されています。
オーヴァーバーグ(Overberg)地区
エルギン地区とウォーカーベイ地区を取り囲むように広がる広大な地区です。新しいぶどう栽培地域で、スタンフォードの近くのクレイン・リヴァー小地区では授賞ワインも多く産出しています。シャルドネとピノ・ノワールに注目します。
内陸で非常に乾燥し、昼夜の寒暖差が大きい地域で、病害虫の被害も少なく、ブドウ生産量は非常に多く、特にロバートソン地区が有名なワイン産地です。
ロバートソン(Robertson)地区
ワイン生産量が非常に多く低価格帯からプレミアムワインまで様々なワインが造られています。国内3位の規模を誇るロバートソン・ワイナリーが有名です。石灰質土壌がこの地区の特徴で、降水量は少なく、夏は気温が高くなりますが、湿気を含んだ冷涼な南東の風がこの盆地を冷やしてくれます。白ワインの産地として知られ、特にシャルドネは以前より評価は高く、最近はソーヴィニョン・ブランも評価を上げています。シラーズ、カベルネ・ソーヴィニョンで優秀なものを生産する他、キャップ・クラシック(瓶内二次発酵)による優れたスパークリングワインも造られています。
ウスター(Worcester)地区
ブドウの栽培面積(南アフリカ全体の20%)、生産量(27%)ともに南アフリカ最大の地区です。ブランデーの主要生産地でもあるため、多くはブランデー用のコロンバールです。KWVのブランデーセラーがあります。
内オリファンツ川に沿って南北に広がる広大なエリアです。比較的暖かく乾燥しています。リーズナブルで高品質なワインが多く産出されています。近年大西洋側のバンボス・ベイ小地区では、優秀なソーヴィニョンブランが造られています。標高が高く冷涼なセダバーグ地区でも優秀なワインが生産されています。シトラダル・マウンテン地区のピケナースクルーフ小地区も注目すべき産地です。
ステラ・オーガニック・ワイナリー
東西に長く伸びる内陸の産地です。マスカット品種が栽培され、甘口ワインが多く生産されていますが、最近ではカジュアルに飲めるメルロの生産も増えています。カリッツドープ地区はでは、ポートタイプのワインが有名で、ティンタバロッカ、トゥリガナショナルなどのポルトガルの品種も栽培されています。近年では、ポートワイン用のブドウから優秀な赤のスティルワインも造られています。また、この地区では世界的に評価の高いブランデーも生産されています。
カリッツドープ地区の畑
7.350年以上もの長いワイン造りの歴史
1659年2月2日、南アフリカ最初のワインが造られました。
今から350年以上も前の事です。
初代ケープタウン総領事ヤン・ファン・リーベックの日誌にはこう書き留められています。
「今日、神を賛美します。ケープのブドウから最初のワインが本日無事造られました。」
南アフリカワインの歴史は、オランダ東インド会社が、香辛料を求めてインドやアジアに向かう途中のケープタウンに食糧供給基地を設けたのが始まりです。彼らはその地でブドウ栽培及びワイン造りを始めたのです。その歴史はアメリカ合衆国の1769年、オーストラリアの1788年と比べても100年以上も早いという事になります。17世紀後半には宗教迫害を受けケープ地方に移住してきたフランス・ユグノー派の人々がワイン産業を発展させました。その後、フランスと英国の戦争、フィロキセラ害の拡散、アングロ=ボーア戦争、ワイン供給過剰時代など数々の困難をへて南アフリカワイン産業は発展してきました。そして20世紀後半にはアパルトヘイトによる国際的な経済制裁で輸出はストップしワイン産業は大打撃を受けました。しかし1994年にネルソン・マンデラが大統領に就任し、アパルトヘイトが撤廃され民主化が進められると、ワイン産業は急速に発展しました。200軒ほどのワイナリーが今では約600軒と3倍に増え、生産量は2014年時点で世界第7位を記録しています。ワイン輸出量に至っては、1992年2200万Lだったものが、2014年には約20倍の4億2200万Lに増加したのです。
南アフリカワインに関わる歴史年表
1652年 | オランダ東インド会社が食糧供給基地をケープタウンに設立。 |
1655年 | 初代ケープタウン総領事ヤン・ファン・リーベックがブドウ栽培開始。 |
1659年 | 南アフリカ最初のワイン誕生。(2月2日) |
1679年 | ステレンボッシュの町がシモン・ファン・デール・スティル知事によって建設される。 |
1680~1690年 | 宗教的な迫害を受けたフランス・ユグノー派の人々がケープに移住しその後ワイン産業が発展する。 |
1886年 | フィロキセラ害(ブドウの生育に害を及ぼす昆虫による被害)。 |
1925年 | ピノノワールとサンソーを交配し、南アフリカ独自の品種ピノタージュが生まれる。 |
1950年代 | 他のニューワールド諸国に比べて、いち早く低温発酵を導入。それにより、フレッシュでアロマティックな白ワイン製造が可能になる。 |
1961年 | ピノタージュを使った最初のワイン(ヴィンテージ1959年)誕生。 |
1918年 | KWVの設立。(南アフリカぶどう栽培者協同組合) |
1973年 | 原産地呼称(WO:ワイン・オブ・オリジン)制定。 |
1990年 | ネルソン・マンデラが27年間の獄中生活から釈放され、南アフリカワインが再び国際的に受け入れられるようになる。南アフリカワイン&スピリッツ輸出協会(SAWSEA)設立。 |
1994年 | ネルソン・マンデラが大統領に就任し、アパルトヘイトの完全撤廃と民主化のスタート。 |
1990年代 | 多くのワイン醸造家が、海外でのワイン生産の経験を積み、帰国後南アフリカワインの品質向上に貢献。 |
1997年 | KWVが民間企業となる。 |
1998年 | IPW(インテグレイティド・プロダクション・オブ・ワイン:環境に配慮したワイン生産のガイドライン)導入。 |
2000年 | 南アフリカワイン協会(WOSA)誕生。 南アフリカワイン&スピリッツ輸出協会(SAWSEA)から改名。 |
2004年 | BWI(バイオダイバシティ&ワイン・イニシャティブ:生物多様性の保護とワイン産業の発展を目的としたワイン生産のガイドライン)導入。 |
2010年 | 「ワインの品質と持続可能性を保証した」シールの導入。 |
2012年 | 「ワイン法、自然環境、労働環境を遵守する」新しいシール発行。 |