ソムリエ走る7

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しかしそれは突然やってきた。15kmを過ぎた頃だろうか。足が思うように
動かないのである。軽やかに跳べない。心肺機能は何ともないのだが、今まで
のように快適に走れないのだ。さほど苦しくはないのだが、(苦しくないとい
うのは、倒れ込むほどの苦しさはないということで、苦しいには違いない)お
そらく傍目から見れば、苦しそうな表情に見えるであろう。早いペースでこれ
以上走れないことを実感する。あと約6km,完走は出来そうだが、ペースを
上げることは不可能だ。先程追い越したばかりの足が重そうなランナーが僕を
抜いていく。相変わらず足は重く辛そうだが、きっと僕はそれより辛そうに見
えるだろう。こうなったら我慢するしかない。後続のランナーが次々に僕を抜
いていくが気にしてはいけない。おそらくキロ5分~6分のペースまで落ちて
いる。
それでも僕と同じような状態のランナーもいるので彼らの後ろを遅れないよう
に付いて走る。20km地点を何とか通過する。 「1時間27分」 
もう30分を切るのは不可能だ。あと残り僅か1kmなのにペースを上げたく
ても思うようにならない。ゴール地点が見えてきた。今さらラストスパートす
る気力は残っていない。最後は、何人かのランナーに抜かれてゴールした。
左手のストップウォッチを止める。「1時間33分43秒」残念だが30分を
切ることが出来なかった。

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