安心院葡萄酒工房は、大分県宇佐市安心院(あじむ)に位置するワイナリーです。1971年、安心院町でブドウの収穫が始まるのを受けて、焼酎の「いいちこ」で知られる三和酒類がに果実酒製造免許を取得。1974年に「アジムワイン」の生産を開始し歴史が始まりました。そして脈々とワインの生産は継続しながら、ブドウ産地でのワイン生産と多くのお客様へワインの楽しさを伝えるために2001年に安心院町内に安心院葡萄酒工房を設立。設立後、2011年から自社畑の拡張を始め、現在はシャルドネ、ピノ・ノワール、アルバリーニョなどの国際品種、日本固有の甲州や、山ブドウの枝分かれと言われる品種の小公子など計15種を栽培し、安心院の豊かな自然とブドウの特徴がしっかりと伝わるようなワイン造りを行っています。
日本ワイナリーの格付けにあたる日本ワイナリーアワードにて2019年から4年連続で最高評価である5つ星を獲得しています。また、「安心院ワイン 諸矢 甲州」2021年ヴィンテージが、世界最大のワインコンクール「デキャンタ・ワールド・ワイン・アワーズ(DWWA)」の2022年度版にてプラチナ賞を見事受賞。アジア最高位の評価を獲得し、国内にとどまらず世界でも確固たる地位を確立しています。
あじむの丘農園について
「あじむの丘農園」は三和酒類㈱が出資する農業法人株式会社石和田産業が運営する自社管理畑で、安心院町内の「下毛圃場」「矢津圃場」「大見尾圃場」の3圃場を管理しています。各圃場は、安心院の気候に対応できるように、全て雨除けのビニールシートを設置し、畑の水はけを良くする為の暗渠(畑下層に砕石等を敷き詰めて排水させる)や、各圃場にはバーク堆肥やパーライトの投入を行い土壌改良も行っています。様々な栽培データを取得しながら、安心院町の土壌や気候に適したワイン専用品種の特定や日本に初めて導入されているぶどう品種の栽培(母樹管理も目的とした栽培)も行い、日本ワイン産業の発展にも寄与できるように日々取り組んでいます。
ワインのすべては畑に始まり、畑に戻ります。安心院というその珍しい地名は昔「湖水跡にアシが生えていた」ことから蘆生(あしぶ)、のちに「あじむ」と呼ばれたとも伝えられています。現在でも深見川、津房川、佐田川の三つの川が合流する安心院盆地。この地は決して肥沃とはいえませんが、清水を背景にしたこの野趣にあふれる大地が、みずみずしい玉のようなブドウの実を育てています。この土地を耕し、この自然と共存しながらブドウを育ててきたのが、安心院ワインの造り手、生産農家です。ワインにはその土地特有の風土が表現されており、雨、風、光といった自然の恵みに加え、作り手の情熱や誇り、そして日々のひたむきな「農」の営みに支えられたものといえます。『安心院葡萄酒工房』は、土づくりから生産農家とともに手を携え、ブドウの育みに丹精を尽くしています。すべては土から、畑から。安心院ワインの命は、この大地にほかなりません。
日本のワイン醸造の現場でも、フランスやイタリアのように、産地や生産者の顔が見えるワイン造りが主流になりつつあります。日本の南、九州で産まれたワインは数こそ多くはありませんが、専門家たちの間で少しずつ話題にのぼり、そのクオリティに高く評価されてきています。その九州の中でも安心院の地は、瀬戸内式気候のため晴れの日に恵まれ、雨の少ない土地柄。この自然の恵みに感謝しながら、私たちはワイン造りに励んでいます。日々真面目に、コツコツと、ていねいに育てたブドウの一粒一粒を、芳醇なワインの滴に育て、皆様のもとへお届けしたい。それが安心院葡萄酒工房の願いです。