300年の歴史を誇る名家、世界にもその名をとどろかすワイナリー
ミヤルストは1756年創立の歴史のあるワイナリーで、以来8代にわたりミパーフ家によって受け継がれ、250年以上の問、世界レベルの高品質ワインを造り続けています。
ワイナリーの広大な土地の最初の所有者はへーニングというドイツからの移民で、1693年にこの美しい場所と立地の良さと将来性を確信し、農場を創りました。そしてこの美しい土地を「海の喜び」を意味する「ミヤルスト」と名付け、マナーハウスをフォールス湾から5kmしか離れていない花岡岩が露出した丘の近くに建設しました。海から近い場所にあるブドウ畑は、夏の暑い時期でも海からのフレッシュな風が流れてきますし、海岸から寄せる夕方の適度な湿気を受け理想的なぶどうの収穫を得ることができます。
ステレンボッシュ市の15kmほど南に位置し、国立公園となっているこのワイナリーへの訪問者は、門を入りヤシの樹とオークの並木を過ぎてマナーハウスの白い入り口に到着すると、その涼しさに癒やされることでしょう。そして、優雅なオランダ様式を伝えるマナーハウス、古くからのワインセラ-、伝書鳩の小屋など、いにしえのケープを実感することができます。
250年変わらずにある建物とは異なり、ぶどう畑の様子は大きく変化しています。それは栽培されている品種を知るとよくわかります。現在、110haの畑にカベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン、メルロ、ピノ・ノワール、シャルドネの高級品種を栽培し、ミヤルストのワインが造られているのです。イギリスやフランスをはじめヨーロッパ各国、アメリカ、カナダにいたるまで、多くのワイン愛好家に親しまれています。
フラッグシップの「ルビコン/Rubicon」は、ボルドーのシャトー・ラフィット・ロートシルトで経験を積んだオーナーが、「ボルドーブレンド」のワインを造り始めたのが始まりです。1967年、現在のオーナーの父であるニコ・マイバーグ氏がボルドーを訪れた時に、その土壌がミヤルストの畑に酷似していたためボルドーブレンドの開発を始めたのです。当時、南アフリカでは、そのようなブレンドスタイルは一般的ではなく様々な批判・中傷もあったようですが、試行錯誤を繰り返し、ついに1984年に「ルビコン1980」をリリースすると、たちまちその品質ゆえに話題となり、ミヤルストの名声を更に高めることとなったのです。ルビコンはヴィンテージによってブレンド比率は変わりますが、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、カベルネ・フランのブレンドで造られます。
「ルビコン」とは、ローマ時代、ジュリアス・シーザーが一大決心で渡ったイタリアにある川の名から来ています。当時の南アフリカにおいて、革命的なブレンドスタイルを作ったその決心が、シーザーの決心のようなものだったので、そこから命名されたのです。