1998年に設立されたクラギー・レンジは、ニュージーランド北島のホークス・ベイにあるプレミアム・ワインの産地、『テ・マタ・ピーク』の丘陵地に位置する家族経営のワイナリーです。テリー&メアリー・ピーボディ夫妻が、世界クラスのワイン造りを目指してワイナリーを立ち上げようとしたとき、彼らはすぐにニュージーランドを訪れました。ニュージーランドの将来性を見出したピーボディ・ファミリーは、ホークス・ベイのギムレット・グラヴェルズとマーティンボロのテ・ムナ・ロードに焦点を当て、この地を代表するワイン・コレクションを生産し『世界の偉大なワイナリーと肩を並べたい』という野心と『この先も続く家族のために遺産を残し、1000年続くワイナリーにしたい』という2つの思いを持ってワイン造りを始めました。
この2つのエリアにはそれぞれ異なる土壌タイプがあります。ホークス・ベイのギムレット・グラヴェルズにはこの土地特有の『Greywacke stone(グレイワッキ、灰色の石)』と砂、シルトが層になっており、日中に吸収した熱により夜間でも畑を温暖に保つため、このエリアは海に近い冷涼な海洋性気候のホークス・ベイの中にありながら、他のエリアより気温が2-3℃高くなります。マーティンボローのテ・ムナ・ロードには堆積岩など複雑な鉱物や火山灰が含まれた20,000年前のalvi-fulvic soil(アルビ・フルヴィック土壌)や小石が混ざった石灰質土壌があり、これらの優れたブドウ畑からは、驚くほどのアロマ、純粋さ、複雑味を持つワインが生まれます。
このようにクラギー・レンジはユニークなテロワールの畑を保有しております。様々な品種のワインを造っていますが、『The world's most admired wine brands(世界で最も称賛されるワインブランド)』では、2020-2024まで5年連続でTop50に入り、ワイン・アドヴォケイトではLe Sol(ル・ソル)が常に95-97点を獲得するなどワールドクラスの品質を誇っています。
また、ニュージーランドの元首相、ジャシンダ・アーダーンの結婚式が2024年1月に行われたことでも知られており、受賞歴を誇るレストランが併設されている美しいワイナリーは、ニュージーランドを代表するデスティネーションとしても注目を集めています。この結婚式では「ソーヴィニヨン・ブラン テ・ムナ マーティンボロー」と「テ・カフ ギムレット・グラヴェルズ・ヴィンヤード ホークス・ベイ」が提供されました。
サステイナビリティへの取り組み
近年ではサステイナビリティに力を入れており、オーガニック栽培のスペシャリストをヴィンヤード・マネージャーとして新たに迎え入れました。栽培と醸造のチームが協力し、畑とワイナリー内に生息する微生物を研究することで生態系の解明し、また剪定技術を進化させることでワインの樹の樹液の流れを良くし、病害を抑制する研究などが行われています。次の世代へいかに『より良い状態で畑を受け継ぐことができるか』を常に考えています。2020年にはマーティンボローのブドウ園100ヘクタール以上に、この土地で自生するブドウの樹の苗を植樹する生物多様性を向上させるプロジェクトに着手しました。最終的には自分たちの土地の質を向上させることを目指しています。