環境に調和したワイン生産と人に優しいワイン造り

環境に調和したワイン生産と人に優しいワイン造り
Pocket

環境に調和したワイン生産と人に優しいワイン造り

1998年に制定されたIPW(Integrated Production of Wine)は世界で最も厳しいワイン生産のガイドラインです。自然環境の保護とワイン生産者が長く永続的にブドウ栽培が出来ること、この2つを両立させることが目的です。このガイドラインにより酸化防止剤の使用は世界一厳しい250mg/L以下に抑えられています。(ドイツ300mg/L以下 フランス350mg~400mg/L以下 日本350mg/L未満)南アフリカでは防カビ剤や防虫剤、除草剤などの農薬をほとんど使わない、減農薬栽培が一般的で、畑にはアヒルやホロホロ鳥を放し飼いにしていたり、鶏糞などの有機肥料を使用しています。

南アフリカワインの選び方

また、除草剤の代わりにブドウ畑に麦を植えて雑草が生えないようにしているなど、環境に配慮した葡萄栽培を行っています。近年ではスワートランド中心にビオ・ディナミや自然派の若手生産者が注目を集めています。

南アフリカワインの選び方

ブドウ畑が広がるケープ州には、世界自然遺産に指定された90,000平方キロメートルにも及ぶ広大なケープ植物区保護地域群があります。ここだけでも9600種の花と植物がある世界で最も密集した植物区で、そのうちの70%は他の地域で見られない固有種とされています。そして驚くべきことに、ケープ地方のワイン産地の95%がこの保護区内にあります。つまり、世界自然遺産の中でワイン造りを行っているということです。そしてこの豊かな植生を守っていくことが南アフリカのワイン生産者の使命であり、その為農薬を減らし、自然環境を保護しながらブドウ栽培やワイン生産を行っています。
また2010年からは、品質、産地、品種、ヴィンテージを保証し、持続可能な農業の認定を受けたことを証明する為、「品質保証と持続可能シール」制度が導入されました。こ

シールは各ボトルの首の部分に貼られており、シールの右下にボトル1本1本に違う番号が付けられ、「ワイン&スピリット・ボード」のWEBサイトでその番号を入力すると、生産者や瓶詰め日などの情報を得ることができる追跡体制が整っています。このような追跡システムを採用しているのは、ワイン業界では世界で南アフリカだけであり、いかに南アフリカが、ワインの品質の保証に責任を持って取り組んでいるかが分かります。

自然環境の保護と共に取り組んでいるのが、労働環境の改善です。1994年にアパルトヘイトが撤廃されたとは言え、黒人の貧困問題は根強いものがあります。ケープタウン空港からケープタウンの中心地に向かう途中に、スラム街が広がっていることに驚かされます。そして各ワイナリーを移動する際にもいくつものスラム街が目に留まりました。2002年には、ワイン業界での労働者の待遇と労働環境を監督する組織として、ワイン産業倫理貿易協会(WIETA:Wine Industry Ethical Trade Association)が設立されました。

南アフリカワインの選び方
Crowded corrugated iron shacks at Khayelitsha, Cape Town

また、2003年には、黒人の経済活動、雇用条件の改善を目的とした黒人権利拡大政策(BEE)が実施されました。更に2012年には、「ワイン&スピリッツ常任委員会(WSB)」と、「南アフリカワイン協会(WOSA)」が協力して、これまでのワイン法、自然環境の保護に、労働環境の改善も加えた新しい協定が結ばれました。これに従って、前述の「品質保証と持続可能シール」にWIETAのマークを加えたワイン法、自然環境、労働環境を順守する新しいシールが作られ、これも全てのワインボトルに添付されるように推進されています。

南アフリカワインの選び方
  1. ブドウ栽培に最適なテロワール(気候・土壌・地形)
  2. ワインに対する情熱と急速なワイン産業の発展
  3. 環境に調和したワイン生産と人に優しいワイン造り
  4. 世界で評価されるワインの品質
  5. 様々な品種から造られるバラエティに富んだワイン
  6. WOで定められたワイン栽培地域と様々なテロワール
  7. 350年以上もの長いワイン造りの歴史

南アフリカワインの魅力カテゴリの最新記事